抄録
産婦人科領域における各種感染症および術後感染予防を対象として, 山形県内8施設においてl00例に対しCefbselis (CFSL) の臨床効果を検討し, 以下の成績を得た。
1. 術後感染予防群 (n=70) に本剤2g/日の5日間投与の臨床効果は, 68/69 (98.6%) に有効であった (1例の投与中止を除く) 。
2. 感染症群 (n=30) に本剤2-4g/日の5-7日間投与の臨床効果は, 著効8/30 (26.7%), 有効21/30 (70%), 無効1/30 (3.3%) で, 有効率は29/30 (96.7%) であった。分離菌別臨床効果では, 29株が検出され有効率は29/29であった。分離菌別細菌学的効果は23/29 (79.3%) の菌消失率を示した。
3. 臨床検査値異常では, 肝機能障害 (n=1) が, 自他覚的副作用で発疹 (n=2) が認められた。
以上の結果からCefbselisの産婦人科領域での感染症および術後感染予防に対する有用性が示唆された。