The Japanese Journal of Antibiotics
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初期殺菌能による抗菌薬の評価
松田 耕二井上 松久
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2000 年 53 巻 12 号 p. 667-671

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抄録
抗菌薬の抗菌力については従来より, MIC値が広く採用されている。しかし, このMICは抗菌評価の一つの目安であって, MICと臨床効果が一致しないことは良く経験する1)。その主な原因は, 体内動態や組織移行性であるが, MIC値が殺菌力を表すものでないことも原因の一つとなる。MIC値とin vivoの感染実験結果が一致しない理由として, 大屋ら2)は, カルバペネムのMIC値が培地中の塩基性アミノ酸によって高くなることを挙げている。一方, 殺菌力は, 通常time-killingcurveをみるのが普通であるが, 習慣的にMICを中心とする濃度が設定されていることから, 臨床使用時の体内の薬物濃度での薬剤間の殺菌力を比較することはできない。山城ら3)はニュキノロンの抗菌力の検討において4時間までの殺菌を短時間殺菌力 (short term bactericidal activity) として報告し, 作用薬剤濃度も血清中濃度を採用している。しかし, 菌と抗菌薬が接触して1時間以内に起こる殺菌 (初期殺菌能), いわば殺菌の初速度を測って抗菌薬の殺菌力を論じた報告はない。筆者らはセフェム系薬としてCeftazidime (CAZ), カルバペネム系薬としてImipenem (IPM), Panipenem (PAPM), Meropenem (MEPM), アミノグリコシド系薬として Amikacin (AMK), を用いてその初期殺菌能を検討したので報告する。
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