2007 年 60 巻 3 号 p. 141-152
2005年の1月から9月にかけて, 岐阜県下の6ヶ所の医療機関から分離された各種グラム陰性菌433株を対象とし, 6種類のフルオロキノロン系抗菌薬に対する感受性を日本化学療法学会標準法に準じた寒天平板希釈法にて検討した。また, フルオロキノロン系抗菌薬に対する耐性化とキノロン耐性決定領域 (Quinolone resistance-determining region: QRDR) のアミノ酸変異との関連について検討した。分離菌の内訳は, Salmonella spp.17株, Escherichia coli 112株, Citrobacter freundii 35株, Enterobacter cloacae31株, Klebsiella pneumoniae 73株, Proteus spp. 18株, Providencia spp.3株, Morganella morganii 14株, Serratia marcescens 27株, Pseudomonas aeruginosa103株であった。
Ciprofloxacin (CPFX) に対して耐性を示した株 (MIC≥6.25μg/mL) は20株 (E. coli 14株, E. cloacae 1株, Proteus spp. 2株, P. aeruginosa 3株) であり, その中でも12株 (E. coli11株, E. cloacae 1株) はCPFXに対して高度な耐性 (MIC≥25μg/mL) を示した。CPFXに対して高度な耐性を示したE. coliではParC及びGyrAそれぞれに複数の変異がある株が認められたが, その他の菌種ではParC及びGyrAに複数の変異は認められなかった。