Archivum histologicum japonicum
Print ISSN : 0004-0681
山羊舌背の知覚神経分布
山本 敏行伊藤 幸孝上田 遐山口 二郎
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1957 年 13 巻 4 号 p. 547-557

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抄録
山羊舌背の組織と神経分布に関する研究成績は次の様に要約される. 糸状乳頭は特に乳頭幹の発達甚だ劣勢, 従って知覚線維も甚だ少く, その終末も極めて単純に構成される.
舌背中央部の横走性小溝の後方には円筒状の大きな特殊舌乳頭の敷石状配列を見る. 乳頭幹の発達も良好, 従って本乳頭に対する知覚線維は糸状乳頭に於けるよりも強力, 多くの第2次乳頭内に又更に上皮内に入って終末を作る. 但しその終末は尚お単純に構成されている.
葺状乳頭の形態は人の場合と本質的差異を示さない. 従って知覚線維も豊富で, 上皮下に分岐性終末を見る外, 上皮内線維も証明される. 本乳頭でも屡々味蕾の形成を見るが, 之に対する知覚線維の分布は劣勢, 何等その分布を受けない味蕾も所々に発見される.
舌背の固有膜内及び各種舌乳頭内に有被膜性の特殊終末棍の形成を見る. 内棍内に進む1-2条の知覚線維は棍棒状に膨隆して終る事が多いが, 又鈍状或は尖鋭状に終ることもある. 又稀ならず分岐性終末に移行する事もある.
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© 国際組織細胞学会
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