Archivum histologicum japonicum
Print ISSN : 0004-0681
キンギョの中枢神経系における化学構築
楠 豊和正井 秀夫
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1966 年 27 巻 1-5 号 p. 363-371

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抄録
キンギョの中枢神経系のモノアミンオキシダーゼの分布をGLENNER法で, またこはく酸脱水素酵素をNACHLAS法で追究した.
モノアミンオキシダーゼ活性の著明な部位は視束前野, 視床下部および最後野などであり, これらの領域は臓性の領域に属している.
こはく酸脱水素酵素活性部位は 視蓋, 外側膝状核, 円形核群, 小脳体および小脳弁などであり, これらは元来体性の領域に属する. 迷走葉ならびに顔面葉は発生的には臓性に属するが, モノアミンオキシダーゼ反応は微弱で, こはく酸脱水素酵素は強反応を示す. また, 硬骨魚類に特徴的な“反転”した終脳各部の homology について, モノアミンオキシダーゼ活性の分布を基礎にして検討を加えた.
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© 国際組織細胞学会
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