Archivum histologicum japonicum
Print ISSN : 0004-0681
Caspersson-Rigler 法による細胞核酸の顕微螢光測光
山田 正興高楠 彰山本 恵三岩田 坤
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1966 年 27 巻 1-5 号 p. 387-395

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抄録
著者らによって簡単な顕微螢光測光装置が試作された. これと Caspersson-Rigler のアクリジン・オレンジ法を用いて細胞核酸の測光が行なわれた. その色素と核酸の複合体の螢光は527mμ591mμの2波長測光によって, DNAとRNAがそれぞれ区別できる. 色々の種類の細胞と色々の処理細胞について, この両核酸の測定法が応用吟味された. その結果, 細胞中のDNAとRNAの量的平行関係が認められた. 一般に細胞レベルの測定ではDNAに富む細胞はRNAにも富む (Tetrahymena 細胞の例). 同様に, 核レベルでもDNAに富む核はRNAにも富む (肝分離核の例) ことが示された. また細胞質の核酸については, RNA以外にDNA類似の螢光を示すものが認められた (Tetrahymena 細胞質と Limax 卵細胞質). 同時に, 細胞の微量核酸の研究のために本法の適用性が検討された.
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© 国際組織細胞学会
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