Archivum histologicum japonicum
Print ISSN : 0004-0681
イルミノールRによるミトコンドリアの超生体染色
藤本 十四秋
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1966 年 27 巻 1-5 号 p. 425-426

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抄録
イルミノールR (Illuminor R, 日本感光色素研究所) はピナチアノールと同様な構造式をもつ感光色素のひとつで, ピナチアノールと同様ミトコンドリアを選択的に染色する. 培養線維芽細胞とマウスのリンパ球とに適用したが, その染色は前者では染色液を培養液に加えることによって, 後者ではいわゆる dye-film 法によっておこなった. イルミノールRはアルコール (または血清) 溶液として用いられるが, その最終濃度は3∼5万倍くらいがよい, 染色後15∼30分の間にミトコンドリアは青染され, その着色は長時間保たれる. 核小体もわずかに染まるが, ミトコンドリア以外の胞形質内包含体はほとんど染められない. 染料の細胞に与える影響も極めてすくない.
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© 国際組織細胞学会
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