抄録
凍結割断した細胞の割断面にイオンエッチングをおこなうと, 細胞内構造が著明に浮彫され, 走査電顕観察に好都合である. これは 細胞内の膜構造がイオンエッチングに対して比較的 抵抗が強く, これに反して 細胞質の方は抵抗が弱く, エッチングされやすいためである.
低電圧による弱いエッチングによって, 膵臓の細胞を観察し, 細胞内の小胞体とリボゾーム, ミトコンドリア, ゴルジ装置, 核表面の核孔, 微小管, 細胞内結晶 (B細胞果粒の) などの立体像を示した.
しかし イオンエッチング操作は人工産物をつくりやすく, またリボゾームのようにエッチングで除去されやすいものがあるので, イオンエッチングによって得られた像は, エッチングなしで調製された標本とよく比較検討されねばならない.