抄録
ラット腎糸球体の血管鋳型1,856個を走査電子顕微鏡でしらべ, 非常にまれな重複輸入小動脈をもつ腎糸球体1個を記載した.
重複輸入小動脈は葉間動脈の終枝からべつべつにおこり, 1本の輸出小動脈をもつ被膜下層糸球体の血管極におわっていた. 微解剖をおこなったところ, この異常な糸球体は吻合毛細血管からなるかなりはっきり独立した三つの小葉にわけることができた. 微解剖によってさらに重複輸入小動脈は糸球体内でも分離しており, そして右の小動脈は中と右の二つの小葉に, 左の小動脈は左の小葉のみに連なっていることが明らかにされた.