ネコ前障から大脳新皮質への投射についてしらべた. 大脳新皮質の種々の領域にHRPを注射したのち前障を観察したところ, 両側の背側前障にHRPで標示されたノイロンが認められ, 注射した側の前障に認められたノイロンの数は反対側のそれより多かった. さらにHRPで標示されたノイロンの前障内での分布は, 注射された皮質との間で吻一尾および背-腹方向の局在関係を示した. 腹側前障においては, HRPで標示されたノイロンを見いだすことができなかった.
従って背側前障はほとんどすべての両側大脳新皮質へ, 局在関係をもちながら投射していることがわかった.