Archivum histologicum japonicum
Print ISSN : 0004-0681
ウサギ扁桃の後毛細管細静脈とその内皮へのリンパ球侵入-走査および透過電子顕微鏡による研究
梅谷 芳雄
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1977 年 40 巻 2 号 p. 77-94

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抄録
ウサギの扁桃の後毛細管細静脈を, 走査型および透過型電子顕微鏡で観察した.
扁桃を大動脈より灌流固定し, 遊走リンパ球以外の血球を後毛細管細静脈から 洗い流した. 走査型電子顕微鏡では, 標本を凍結割断し, 内皮表面を観察した.
後毛細管細静脈の内腔は強く不揃いに膨隆した 内皮細胞でおおわれていた. 内皮細胞は枝状の辺縁突起をもち, これは 内皮基底部では 複雑に陥合し, 内腔面では細胞間橋を形成していた. このため 内皮は, 従来の記載より はるかに複雑で緊密な構築をしていることが 明らかになった.
走査型電子顕微鏡でみると, 内皮上には, 内皮細胞境界部上に位置したリンパ球と, 内皮細胞間に陥入したリンパ球がみられた. 透過型電子顕微鏡でみると, 内皮壁内のリンパ球は内皮細胞間に存在していた. これらの所見を詳細に検討することにより, リンパ球は内皮細胞間を通過して リンパ組織実質へ遊走することが確認された.
内皮上の遊走リンパ球は すべて小リンパ球で, これを表面形態の差違によって分類し, その頻度をしらべると, 微絨毛の豊富なリンパ球が12.5%, 比較的表面平滑なリンパ球が59.1%, 表面平滑なリンパ球が28.4%であった. すなわち 微絨毛の少ないリンパ球が大部分 (87.5%) を占め, これらはTリンパ球であると推定された.
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© 国際組織細胞学会
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