Archivum histologicum japonicum
Print ISSN : 0004-0681
ミニブタ骨髄細胞の核内封入体について
石関 清人立花 民子坂倉 康則名和 橙黄雄
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1981 年 44 巻 5 号 p. 467-476

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抄録

ミニブタ骨髄細胞に核内封入体を見出し, その構造と化学的性質を電子顕微鏡と細胞化学的方法によって検索した. 封入体は主として顆粒球系列細胞に認められ, ときに巨核球や形質細胞にも見られたが, その他の骨髄細胞には観察されなかった. 核内封入体は幅0.2-0.5μm, 長さ0.5-1.0μmの20-40本の波状細線維様集合束から成り, とくに大型の封入体では核の全長にわたって伸展しており, ときには核膜孔に連絡するものも見られた. 封入体の出現率は顆粒球の幼若細胞ほど高い傾向を示した.
一方, エポン包埋切片に対する酵素消化実験では, これらの封入体はRNase, DNase, ペプシン, トリプシン, プロテアーゼのいずれにも不溶性であり, 従来ある種の神経細胞において報告されきた線維性の核内封入体とは若干性状が異なるように思われた.

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© 国際組織細胞学会
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