抄録
青森大学の科目「キャリア特別実習」で2023年11月,青森県選挙管理委員会の主催により,若者の低投票率をどう理解してどんな対策を講じるかを考える「ヤングフォーラム2023」が開催された.約2カ月にわたる授業での対話および学生たちの調査活動の成果が報告された.青森県議会議員らへのインタビューの結果として,議員たちも低投票率を問題視していること,体験型主権者教育の拡大やネット活用に希望を見いだしていることなどが明らかになった.また,学生アンケートの結果として,3人に1人は投票体験がないこと,ネット投票や若者向けの施策を望む声が強いことなどが確認できた.住民票を移さないため投票できない学生が多い半面,住民票を移しても出身地での成人式に出席可能な制度があることを知らない学生が多く,今後の対策への示唆が得られた.