青森大学付属総合研究所紀要
Online ISSN : 2188-8531
Print ISSN : 2436-1585
最新号
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  • 大島 和裕, 對馬 樹希, 間山 武
    2025 年 26 巻 2 号 p. 1-14
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/04/24
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本研究では,青森県における2020年3月から2022年9月までの新型コロナウイルス陽性者数の推移を可視化し,保健所管内ごとの変化について地域間の関係性を調査した.青森県では2020年3月末に初めて陽性者が確認され,10月までは少ない状況が続いた.その後は,他県と同様に増減を繰り返しながら拡大し,2022年8月末には1週間あたり約12800人のピークを記録した.発生当初は,保健所管内ごとに別々に陽性者数が増減していたが,このような地域ごとの変動は途中で変わった.2021年の夏以降は,一部で地域的な変動もみられたが,全体的に県内8つの保健所管内の陽性者数が同期して変化するようになった.以上の地域間比較に関する結果は,主成分分析によって明確に示された.
  • 「みちのく風力発電」に反対した地域住民へのインタビューを中心に
    金 二城, 竹内 健悟, 藤 公晴
    2025 年 26 巻 2 号 p. 15-23
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/04/24
    研究報告書・技術報告書 フリー
    グリーンなエネルギーの確保は, 今後持続可能な社会を構築するために重要な課題である. とくに風力発電は, 環境にやさしい再エネとして紹介されているが, 設置場所・規模によっては地域自然破壊に帰結するなど問題が多く,地域でも賛否両論があり紛争になってしまう場合も少なくない. 青森県でも風力発電開発事業が進められてきたが, 地域の反対で中止になった. この事業は, 地域への電力供給, 地域の雇用創出など多様なメリットも見込まれたが, デメリットも少なくないため多くの関係者によって反対された. 青森県で進められたみちのく風力発電事業の計画と中止に着目して, 地域住民が反対した理由と地域が望む風力発電の在り方について反対運動に参加した二人にインタビューを行った. みちのく風力発電事業は, 住民だけではなく政治家や関係者がその現状, 問題点に十分に気づいていない状況で進められたのが問題だった. このような問題を予防するためには, 自然開発事業をしっかり評価できる地域での体制づくりと, 地域自然の大切さに関する教育が大事である.
  • -敦賀市民アンケートと沿線ヒアリングから-
    櫛引 素夫
    2025 年 26 巻 2 号 p. 24-42
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/04/24
    研究報告書・技術報告書 フリー
    北陸新幹線は2024年3月,石川県金沢市-福井県敦賀市の区間が開業した.その半年後,2024年9月に敦賀市民1,200人を対象とする郵送アンケートを実施した.前回2023年9月のアンケート同様,回収率は20%台にとどまったが,市民の8割以上が敦賀への新幹線延伸を歓迎していた.その理由は,市を訪れる観光客が増加したこと,まちに活気が生まれたこと,メディア等で広く地元が紹介されたことなどだった.また,敦賀市や福井県に良い効果をもたらしたと評価する人が多い半面,自分の暮らしに良い効果が及んだと評価する人は限定的だった.その理由は主に,新幹線に乗車したことのある人がまだ少ないことだった.北陸新幹線は「東京に早く行ける」ことが最も高く評価されている.一方で,敦賀で新幹線と在来線特急の乗り換えが発生し,関西や中京との往来が不便になったことへの批判や懸念が強い.沿線では観光面の効果以外にも,デジタル化の進展,企業の研究開発拠点の建設といった注目すべき変化が起きている.
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