青森大学付属総合研究所紀要
Online ISSN : 2188-8531
Print ISSN : 2436-1585
最新号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 高橋 晃
    2024 年 25 巻 2 号 p. 1-6
    発行日: 2024/03/31
    公開日: 2024/04/12
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    【目的】新型コロナワクチン接種の際,認知症等で意思確認が困難な事例の有無及び意思確認ができない方に不利益が生じないための対策を検討することを目的とする.【方法】東北6県の県庁所在地にある610施設を対象とした.【結果】本人からの同意取得が難しく,施設に困難な状況が生じている.結果として,接種できなかった方も存在する.【結論】各施設での同意取得時の困難さを踏まえ,より配慮した接種時の対応が必要であると考える.抜本的な解決には,立法による解決も視野に入れる必要があるものと考える.
  • 竹内 健悟
    2024 年 25 巻 2 号 p. 7-17
    発行日: 2024/03/31
    公開日: 2024/04/12
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本稿は、現在存在しないものの断片的な記録が散見される「三厩梨」について,入手可能な記録を収集し,そこから推定も含めつつも三厩梨という歴史的存在を描き出すことを目的とした.調査の結果,三厩梨について以下のようにまとめることができた.三厩梨は,江戸時代は津軽地方の特産の果実であったが,明治以降は栽培されなくなった.元禄年間の頃,三厩村の新谷勘兵衛の屋敷に芽生えた木を育てたところ,おいしい梨の実がなったため,弘前藩がこの木を管理するようになった.収穫期になると実り具合が報告され,役人が来て収穫をした.この木は初めは三厩でのみ栽培されていたが,接木によって栽培の本数,場所を増やし,藩内に広く植えられるようになった.実は大きく甘く,形の特徴から中国梨の一種と推定されている.三厩梨は,江戸に送られ,幕府の重役に献上されるほど珍重されたものであったが,明治に入って津軽地方でリンゴ栽培が盛んになると,姿を消していった.
  • 櫛引 素夫
    2024 年 25 巻 2 号 p. 18-35
    発行日: 2024/03/31
    公開日: 2024/04/12
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    北陸新幹線は2024年3月,石川県金沢市-福井県敦賀市の区間が開業する.その半年前のタイミングで実施した敦賀市民1,200人を対象の郵送アンケート記述を目的とする.回収率は20%にとどまったが,市民の8割近くが新幹線開業を歓迎し,観光振興や駅周辺の整備,東京都や石川県,富山県とのアクセス向上への期待が高いことが分かった.半面,地元の観光面や中心市街地の魅力が限定的だと見る回答が多く,今後の対応が課題である.また,新幹線開業に伴って福井県域と関西圏,中京圏を結んでいる特急列車の運行が敦賀以南に短縮されることから,福井県と両地域のつながりが弱まるという懸念が強い.
  • 矢野 康介
    2024 年 25 巻 2 号 p. 36-42
    発行日: 2024/03/31
    公開日: 2024/04/12
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本稿では,中高生スポーツ競技者における精神的健康の実態について基礎的知見を得ることを目的とした.国立青少年教育振興機構(2024)が収集した4時点の縦断的データを利用し,運動部に所属する898名の中高生を分析対象とした(平均年齢15.3±1.6歳;男子737名,女子151名,その他・不明10名).分析の結果,主に3つの知見が得られた.第一に,いずれの測定時点においても,精神的健康に問題を抱える中高生スポーツ競技者の割合は,概ね2割強であった.第二に,潜在プロファイル分析の結果,精神的健康度の変化パターンについて,5つのプロファイルが特定された.それぞれの特徴は,①大きく低下した後に緩やかな上昇(Profile 1),②時間を通じて緩やかな低下(Profile 2),③大きく上昇し,その後も緩やかに上昇(Profile 3),④大きく低下した後,大幅に上昇(Profile 4),⑤時間を通じて概ね一定(Profile 5)であった.第三に,個人競技に従事する中高生は,Profile 5に比べてProfile 1や2に所属する傾向にあること,男子以外のスポーツ競技者は,Profile 5に比べてProfile 4に所属する傾向にあることが示唆された.
  • 櫛引 素夫, 池田 修真, 大野 愛梨, 加藤 未宙, 木村 拓海, 髙橋 優誠, 藤田 奏, 三浦 紗綾, 山田 青空
    2024 年 25 巻 2 号 p. 43-52
    発行日: 2024/03/31
    公開日: 2024/04/12
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    青森大学の科目「キャリア特別実習」で2023年11月,青森県選挙管理委員会の主催により,若者の低投票率をどう理解してどんな対策を講じるかを考える「ヤングフォーラム2023」が開催された.約2カ月にわたる授業での対話および学生たちの調査活動の成果が報告された.青森県議会議員らへのインタビューの結果として,議員たちも低投票率を問題視していること,体験型主権者教育の拡大やネット活用に希望を見いだしていることなどが明らかになった.また,学生アンケートの結果として,3人に1人は投票体験がないこと,ネット投票や若者向けの施策を望む声が強いことなどが確認できた.住民票を移さないため投票できない学生が多い半面,住民票を移しても出身地での成人式に出席可能な制度があることを知らない学生が多く,今後の対策への示唆が得られた.
  • 佐々木 豊志, 石塚 ゆかり, 関 智子
    2024 年 25 巻 2 号 p. 53-60
    発行日: 2024/03/31
    公開日: 2024/04/12
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    フィールド・ツーリズムは,青森県の自然・文化資源を活用した地域密着型観光の一つのモデルである.青森大学は2022年から人材育成・教育に取り組んでいる.本稿では,フィールド・ツーリズムの位置づけを明らかにするために,国際観光学の歴史的変遷を再確認し,代表的な3つの授業について報告する.これらの科目を学ぶ学生には,地域の魅力を深く掘り下げ,発信する感性と能力が求められる.
feedback
Top