グリーンなエネルギーの確保は, 今後持続可能な社会を構築するために重要な課題である. とくに風力発電は, 環境にやさしい再エネとして紹介されているが, 設置場所・規模によっては地域自然破壊に帰結するなど問題が多く,地域でも賛否両論があり紛争になってしまう場合も少なくない. 青森県でも風力発電開発事業が進められてきたが, 地域の反対で中止になった. この事業は, 地域への電力供給, 地域の雇用創出など多様なメリットも見込まれたが, デメリットも少なくないため多くの関係者によって反対された. 青森県で進められたみちのく風力発電事業の計画と中止に着目して, 地域住民が反対した理由と地域が望む風力発電の在り方について反対運動に参加した二人にインタビューを行った. みちのく風力発電事業は, 住民だけではなく政治家や関係者がその現状, 問題点に十分に気づいていない状況で進められたのが問題だった. このような問題を予防するためには, 自然開発事業をしっかり評価できる地域での体制づくりと, 地域自然の大切さに関する教育が大事である.
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