高校で扱う電流の自由電子モデルに①加速-衝突モデルと②雨滴モデルの二つあるが，その源流はドルーデ(Drude)理論にある。最近の高校物理では①の加速-衝突モデルは姿を消し，②の雨滴モデルだけのようである。①への批判1), 2)は,ドルーデ理論では平均自由時間 ̅ が平均衝突間時間 に等しいのに対し，平均衝突間時間 を２倍の 2 としている点にある。悩むなかファインマンの本1)を再読し，やはりドルーデ理論が正しいことが分かった。あとは高校生にとって難しいドルーデ理論に替わる等価な指導法を考えることで，雨滴モデルも含めて考察した結果を報告する。
