物理教育通信
Online ISSN : 2433-4529
Print ISSN : 2423-8988
変位の3乗に比例する復元力による非線形振動
沢田 功
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2023 年 193 巻 p. 34-42

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抄録

つり合い位置からの変位の1乗に比例する復元力は単振動を生む。それを示す自然長2l、ばね定数kの弾性体を水平面内の線上に置いて、両端を固定する。線に対して垂直面内方向へ中央部分より自然長l、ばね定数2kの弾性体2本を引っ張り、垂直方向への変位xを定義する。この時、中央部分には変位xの3乗に比例する復元力が発生する。この復元力による非線形振動の特徴は等速運動のような時間領域が存在することであり、その特異性は変位xの4乗に比例する位置エネルギー(4次ポテンシャル)に起因する。そして、この復元力は変位xの増加に伴って、x-lの1乗に比例する復元力へと転移していくが、その振動は単振動に似ていても単振動ではない。

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