抄録
衝突現象、とりわけ2次元や3次元の衝突現象は数式処理の負荷が高く、より難しく感じられる現象だろう。そこで、直接的な2次元衝突の実験(コインの衝突実験)とデータ解析を生徒に実施させ、それらの活動を通じて、現象の把握や、質量中心系への変換の必要性と意義を経験的に理解できるような授業展開を目指し、これまで実践してきた。
その実践において、Excelなどでのデータ解析の流れの中で自然に作成できる“vx-vy散布図”が、衝突現象を理解するうえでかなり有用であるので、このことについて論じる。適切に理解すれば、単なるテクニックではなく、実験と解析を通して実感される質量中心系の有用性が際立つ応用例としてとらえることができ、衝突現象の概念的理解の深まりにも寄与できるものだと考えている。さらには、この理解がしばしば大学入試問題を解く際に極めて有用になることがあり、演習偏重の生徒(教員も?)に対して、実験データを多様な方法で表現し解釈する意義を提示できるトピックにもなり得る。