森林応用研究
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森林応用研究 23巻1号
森林共同施業団地制度の現状と課題
古屋大樹松下幸司
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2014 年 23 巻 1 号 p. 31-40

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抄録

民有林と国有林が連携した森林共同施業団地(以下、団地)について、管轄内に団地がある66 の森林管理署(計117 団地)を対象とするアンケート調査(回収率97.0%)の分析と京都府と島根県の現地調査から団地の取り組みの現状と課題を明らかにし、今後の方向性を考察した。全国的には団地面積の53.0%が国有林であり、共同発注は現時点でほとんど行われていないことが分かった。団地の課題は、①意思疎通、②路網整備、③間伐材等の共同販売、④発注制度である。②は明確な民国連携のメリットで、一体的な森林整備に向けた基盤である。③は地域での需要創出やシステム販売での民国連携が確認され、一層の推進が必要である。②と③の推進に向け、①の意思疎通が重要である。④は民国の発注制度の相違が大きな課題である。共同発注制度創設への期待は大きく、企画競争方式の導入等が考えられるが、法改正等が必要であり即座の創設は難しい。一体的な路網整備や共同販売に向け意思疎通を緊密に図り、共同発注制度創設に向け関係機関と検討していく必要がある。

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© 2014 応用森林学会
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