萌芽更新したウバメガシとアラカシの開花結実年齢を調べるため,伐採後経過年数が3, 5, 11(2 林分)年と異なる備長炭原木林4 林分で調査を行った。開花調査は2014 年春(1 林分のみ2011 年春)に,結実調査は1 年半後の2015 年秋に3 林分で行った。調査個体の平均樹高と平均地際直径は一つの調査地をのぞいて,ウバメガシよりもアラカシで大きかった。萌芽更新したウバメガシは3 年で着花し,4 年で結実することを確認できた。萌芽更新したアラカシは,4 年時に結実した。ウバメガシの開花最小樹高は0.55m であった。結実個体の最小樹高はウバメガシ0.96m,アラカシ2.17m であった。開花・結実がみられた全ての調査地において,開花・結実個体の割合は,アラカシよりもウバメガシで高かった。以上から,ウバメガシ,アラカシとも成長初期段階で堅果生産を開始する繁殖早熟性があると考えられた。さらに,ウバメガシの開花結実はアラカシよりも早く開始され,早い段階で堅果生産する個体が多いことが示唆された。