森林応用研究
Online ISSN : 2189-8294
Print ISSN : 1342-9493
ISSN-L : 1342-9493
カシノナガキクイムシの各種広葉樹丸太への穿孔
小林 正秀
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 9 巻 2 号 p. 99-103

詳細
抄録

カシノナガキクイムシの穿孔に伴う広葉樹の集団枯損が全国各地で発生している。これまで,カシノナガキクイムシの立木における穿孔数を調査することで,カシノナガキクイムシが加害しやすい樹種や,前年の被害程度が翌年の穿孔数に及ぼす影響が調査されてきた。一方,倒木の被害への関与が指摘されているが,これまで調査事例なはい。そこで,樹種や被害歴の異なる立木を伐倒玉切りし,丸太を被害地に設置して,丸太へのカシノナガキクイムシ穿孔数を調査した。その結果,カシノナガキクイムシの穿孔数はブナ科樹種の丸太に多いこと,また,これらブナ科樹種から先に加害される傾向があること,同じ樹種では前年に穿孔された被害木への穿孔数は少ないことが明かとなった。

著者関連情報
© 2000 応用森林学会
前の記事 次の記事
feedback
Top