アプライド・セラピューティクス
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吸入療法支援の基本は『やってみせる!やってもらう!くりかえす!』多職種連携の中でどう活かすか?
腰山 節子 安場 広高吉村 千恵駒瀬 裕子
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2020 年 14 巻 1 号 p. 1-6

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抄録

喘息や慢性閉塞性肺疾患に対して創薬された吸入薬は、有用性と安全性が確認され最新のガイドラインにおいても第一選択薬としての位置づけは不動である。しかしながら吸入薬は内服薬と異なり多くの課題点を有しており、医療現場では様々な対応策が求められている。課題点にデバイスの多様化による誤操作の多さ、慢性疾患であることによる長期的なアドヒアランスの不良が指摘されている。そこで、著者が所属している吸入療法のステップアップをめざす会では、患者自身が予防治療の重要性、有用性を理解し、治療に取り組めるために、吸入療法支援に注目した。吸入薬は現在デバイスの多様化に加え,アシストユースなど処方が複雑化している。治療効果を高めるコツは、患者とその家族へデバイスの操作方法や副作用の説明だけでなく、病態の説明や生活指導を行うことであり、そのためには、薬剤師は医師、看護師、セラピストなどと連携し、一貫した吸入支援を構築していくことが必要である。今回我々は、日本アプライド・セラピューティクス(実践薬物治療)学会(2019年9月開催)において、実践的な吸入支援を多職種連携の中で各専門職がどう取り組むべきかというテーマで、講義とロールプレイ形式によりワークショップを企画したので、その内容を報告する。今後は、多職種による協力体制の整備を図り、吸入支援活動によって呼吸器疾患のアドヒアランス向上に貢献することをめざしていく。

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© 2020 日本アプライド・セラピューティクス(実践薬物治療)学会
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