APU言語研究論叢
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日本語教育におけるゲーミフィケーションの試み ―教室外での目標言語使用の活性化を目指して―
岩本 穣志
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ジャーナル オープンアクセス

2019 年 4 巻 p. 01-

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抄録

初級日本語クラスにおいて、2016年秋学期から「日本語番付」という相撲をメタファーとしたゲーミフィケーションを導入し、学習者の教室外での日本語使用の活性化を図る試みを行っている。これは、日本語での会話やSNSへの投稿など、教室外で日本語を使用することによってポイントが獲得でき、獲得ポイント数に応じて番付が上昇するというものである。  本研究では2018 年春学期までの4セメスターに渡りこのゲーミフィケーションを行い、その効果と課題を考察した。学期末に行った学習者へのアンケートと半構造化インタビューからは、ゲーミフィケーションに対する高い満足度とともに、教室外での日本語使用量の有意な増加や地域のイベントへの積極的な参加などが見られたケースもあったが、満足度や取り組み方は学習者やクラスによって差が大きく、ゲーミフィケーションにほとんど参加しない学習者や、そもそもゲーミフィケーションを必要としない学習者も見受けられ、課題を残す結果となった。

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© 2019 立命館アジア太平洋研究センター
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