2008 年 56 巻 1 号 p. 45-49
リシケタイラギを用いて,酸素摂取に及ぼす低酸素の影響について調べた。換水量は酸素飽和の状態(酸素分圧152.8 mmHg)での0.088 l/min/kgから酸素分圧の低下に伴って増加して26.3 mmHgで1.976 l/min/kgと22倍を示し,更に酸素分圧が低下すると減少した。酸素利用率は酸素飽和の状態での16%から酸素分圧の低下に伴って減少して26.3 mmHgで4%を示し,更に酸素分圧が低下すると増大した。この間,酸素利用率は換水量の増加に伴って減少する関係を示した。酸素摂取量は酸素分圧が低下しても26.3 mmHgまではほぼ酸素飽和の状態での値(0.51 ml/min/kg)を維持していた。本研究の結果から,リシケタイラギは低酸素に遭遇すると酸素摂取量を維持するために換水量を増加させて対応することが明らかとなった。