水産増殖
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原著論文
チリ共和国チロエ島におけるチリウニ Loxechinus albus の稚ウニの生態
城野 草平
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2009 年 57 巻 4 号 p. 567-577

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抄録

1987年から89年にかけてチロエ島東部海域においてチリウニ Loxechinus albus の稚ウニの分布を潜水と貝類養殖施設調査により調べた。天然海域では Linao において1989年2月に38.5個体/m2 の稚ウニの生息が観察された。稚ウニの大きさは殻径2.8-7.8 mm であった。稚ウニの分布域は半島先端部の潮通しのよい水深 6 m 以浅で,海底は玉石または岩盤で貝殻片や砂利が認められた。一方,Linao と Hueihue のカキ養殖連でも稚ウニが認められた。特に Linao では1988年12月に平均殻径3.5 mm の稚ウニ54万個体の付着が観察された。Pilumnoides perlatusCancer setosus の稚カニによるチリウニの食害が示唆された。稚ウニの生態から漁場形成の仕組みが議論された。

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© 2009 日本水産増殖学会
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