2014 年 62 巻 2 号 p. 183-190
知多東岸におけるウミグモのアサリへの寄生率および平均寄生強度は,成体が出現し始める5月あるいは6月に極小となった後,すぐに新たに寄生を受けるため6月あるいは7月にピークを形成した。その後,個体数が減少するため,8~10月に寄生率は急激に低下し,10月以降にわずかに寄生した幼体が翌年の再生産に寄与すると考えられた。寄生率および平均寄生強度は大きな年変動を示した。寄生率および平均寄生強度の2010年2~3月における高いピークは,2009年夏場の低水温により幼体が他の年より多く生残したためと考えられた。