2017 年 65 巻 4 号 p. 357-366
2015年4月~2016年5月に南太平洋のフィジー,ビティレブ島ナブア地区近郊の小河川の河口部において採捕された1368個体のウナギ属シラスのうち,DNAバーコーディングによってAnguilla marmorata(オオウナギ),A. megastoma,A. obscuraに種同定された105個体(各35個体)を用いて,これらの形態的差異を明らかにした。体部比,脊椎骨構成,尾部の黒色素沈着を検討したところ,これら3種は全長に対する背鰭-臀鰭間長比と尾部の色素沈着状態を用いることにより形態的に識別可能であることが示された。本研究によって,南太平洋におけるウナギ属魚類の保全,資源管理,養殖に必要なシラスウナギ加入量のモニタリングを容易に実施できるようになる。