水産増殖
Online ISSN : 2185-0194
Print ISSN : 0371-4217
ISSN-L : 0371-4217
原著論文
南太平洋フィジーのビティレブ島に来遊したウナギ属シラスの種同定と形態的差異
Chinthaka Anushka HewavitharaneTimothy David PickeringCiro Rico望岡 典隆
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 65 巻 4 号 p. 357-366

詳細
抄録

2015年4月~2016年5月に南太平洋のフィジー,ビティレブ島ナブア地区近郊の小河川の河口部において採捕された1368個体のウナギ属シラスのうち,DNAバーコーディングによってAnguilla marmorata(オオウナギ),A. megastomaA. obscuraに種同定された105個体(各35個体)を用いて,これらの形態的差異を明らかにした。体部比,脊椎骨構成,尾部の黒色素沈着を検討したところ,これら3種は全長に対する背鰭-臀鰭間長比と尾部の色素沈着状態を用いることにより形態的に識別可能であることが示された。本研究によって,南太平洋におけるウナギ属魚類の保全,資源管理,養殖に必要なシラスウナギ加入量のモニタリングを容易に実施できるようになる。

著者関連情報
© 2017 日本水産増殖学会
前の記事 次の記事
feedback
Top