香川県屋島湾における小割養殖のハマチ黒変病魚および健常魚の計52尾について, 昭和39年7月から10月までの約4ケ月間にわたって, ヘマトクリット値, 血液比重ならびに血漿蛋白量を測定した。
1. 初期の黒変病ハマチはヘマトクリット値, 血液比重および血漿蛋白量がいずれも健常魚より低く, 明らかに貧血症を呈していた。
2. Benedenia seriolaeを駆除するための淡水浴後約1ケ月間に, 健常魚の平均ヘマトクリット値はいったん高くなってから低下するという特徴的な変動を示した。
3. ヘマトクリット値および血漿蛋白量の個体変異幅は魚群の健康状態が比較的安定なときより, 不安定な状態と思われるときに大きい傾向がみられた。