水産増殖
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人工魚礁の効果範囲について
柿元 晧
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1967 年 14 巻 4 号 p. 181-189

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抄録

昭和40年6月から41年8月にかけて底刺網漁獲試験により, 人工魚礁の効果範囲の調査を行った。
1) 全般的漁況は調査2年目で漁期をはずしたウマヅラハギを除くと, 両年とも大差はなかった。
2) 魚礁区域と一般漁場の反当漁獲尾数を比較すると, 総数において, 魚礁区域は一般漁場の1.64-2.05倍であり, 魚種によって効果に大きな差がみられた。
3) 魚礁区域と一般漁場における魚種組成を比較するとかなりの差がみられた。
4) 魚礁からの距離と反当漁獲尾数の変動から魚礁の効果範囲を検討してみると, 魚礁区域および魚礁の端から200mまでの海域, さらに離れた400-800mの範囲にも効果がおよぶと考えられた。
5) 魚種別に効果範囲, 蝟集場所を検討した。
6) 魚礁性の強い魚種では魚礁における個体数が多くなると分布範囲が拡大される傾向が認められた。

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