水産増殖
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ウナギ体内へのサイオドリンの移行
佐渡 卓朗野崎 順久立花 章男小谷 吉春長谷川 仁
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1967 年 15 巻 3 号 p. 13-18

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抄録

1. 養鰻池において動物性プランクトンの駆除に用いられる有機リン剤サイオドリンの水中での安定性およびウナギ体内への移行の状態を検討した。
2. サイオドリン2.0 ppm溶液中ではウナギは10時間以内に全例死亡したが, 1.0 ppm以下では死亡例はみられなかった。
3. サイオドリン1.0 ppm溶液中で飼育したウナギの皮膚・筋肉部分のサイオドリン量は4時間後に最高値の0.61 ppmに達し以後低下した。
4. 72時間ごとに新しいサイオドリン溶液にとりかえて30日間ウナギを飼育したが, サイオドリンの体内蓄積は認められなかった。
5. サイオドリンはpH 5.5-7.0, 温度5℃または26℃の水溶液中では比較的安定であるが, ウナギの存在下では速やかに濃度が低下した。

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© 日本水産増殖学会
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