水産増殖
Online ISSN : 2185-0194
Print ISSN : 0371-4217
ISSN-L : 0371-4217
加江田川河口域に出現する仔稚魚の生態
平野 克己酒井 豊赤崎 正人
著者情報
ジャーナル フリー

1989 年 37 巻 4 号 p. 289-296

詳細
抄録

1) 河口域に出現した仔稚魚は, 6目, 17科, 31種, 1, 890個体であり, その多くはスズキ目であった。
2) 春から夏に多くの種類が出現した。主要な魚類は, ボラsp., ボウズハゼ, ヒメハゼ, ハゼsp.6, クロサギ, マハゼ, クロダイ, ハゼsp.4, コトヒキ及びキチヌであった。
3) A.これら主要な魚類の月別平均全長の変化と出現期から, 出現仔稚魚10種を3群に区分した。A群: 月別に全長の変化のあるもの.B群: 月別に全長の変化のないもの.C群: 1回出現のもの.
B.水温・塩分量から出現した仔稚魚10種を4群に区分した。I群: 低水温・低塩分時に出現.II群: 高水温・低塩分時に出現.III群: 高水温・やや高塩分時に出現.IV: 低水温・高塩分時に出現.
4) この河口域の多様度指数は6~8月が高く, 複雑な種類組成を示した。
5) 盛夏から初秋の魚類相は比較的類似していた。

著者関連情報
© 日本水産増殖学会
前の記事 次の記事
feedback
Top