水産増殖
Online ISSN : 2185-0194
Print ISSN : 0371-4217
ISSN-L : 0371-4217
オオクチバスの成熟と催熟
邱 嘉仁酒井 清隆島 史夫
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 39 巻 4 号 p. 343-351

詳細
抄録

1988年9月から1989年8月までの間, 印旛沼におけるオオクチバスの産卵期, 卵形成過程および精子形成過程を組織学的に調べるとともに, LHRH-aによる催熟促進や低温処理による3倍体魚の作出を試み, 以下の結果を得た。
1) 組織学的に本種の卵母細胞の発達過程は10期に分けられた。
2) 組織学的に本種の精子形成の発達過程は3期に分けられた。
3) 卵母細胞の発達様式は非同期発達型に属した。
4) 産卵期は排卵痕の出現時間より4月下旬から6月上旬と推定された。
5) 精子形成には春と秋の年2回のピークが認められた。
6) 体重1kgあたり15~80μgのLHRH-aコレステロールペレットを腹腔内に投与することにより, 投与後31.5~55時間で排卵させることができた。
7) 媒精後3~7分経過時に0℃の低温に受精卵を20~30分間浸漬することにより, 3倍体魚の作出が可能であった。

著者関連情報
© 日本水産増殖学会
次の記事
feedback
Top