1992 年 40 巻 3 号 p. 253-259
ふ化直後の仔魚から, 体長60mmまでの仔稚魚を対象として, 体長を基準とした23部位の相対成長を求め, アロメトリー式で表した。この結果, 多くの部位では成長屈折が仔魚期から稚魚へ移行する9mm附近までに認められた。各部位の成長屈折点はシオミズツボワムシ摂餌開始時, Artemiaふ化幼生, Tigriopus sp., 天然コペポーダ類への餌料転換時期, そして消化管の発達や鰭条の定数化や分節, 分枝軟条数の増加時期に対応しているとみなされた。また, 成長屈折点がみられた部位では, 仔魚期には体長に対して優成長を示すが, 稚魚期以後はほとんど等成長に近づいた。