2000 年 48 巻 2 号 p. 209-213
シオミズツボワムシ(L型)と配合飼料で養成した大きさの異なるアルテミアを用いて,ズワイガニのゾエア1期からメガロパ期の適切な餌料の大きさと摂餌量を調べた。ゾエア1期は,孵化直後のアルテミアノープリウス(全長約0.54mm)より小さな餌料をおもに摂餌し,全長約0.85mmより大きなサイズの餌料はほとんど摂餌されなかった。ゾエア2期には,全長約1mm前後の餌料までが摂餌され,摂餌量はゾエア1期の約3倍であった。メガロパ期には,全長約1.82mm程度のアルテミアまで摂餌するようになり,摂餌量も増大した。ズワイガニの幼生飼育では,ゾエア2期以降にワムシ,アルテミアノープリウスに加え,養成アルテミアを併用することにより,飼育水準の向上が期待できる。