水産増殖
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ブリ当歳魚の水温下降期におけるエクストルーダー飼料の適正給餌法
佐藤 公一
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2003 年 51 巻 4 号 p. 435-441

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抄録

ブリ, Seriola quinqueradiata当歳魚の水温下降期 (10~1月) におけるエクストルーダー飼料 (EP) の適正な給餌方法を探ることを目的として, 飼料のエネルギー量や給餌頻度の異なる条件で, 成長や飼料効率についての比較試験を行った。
給餌頻度の比較では, 週2回給餌区の飼育成績は他の区より明らかに劣ったが, 2日に1回の給餌区と週6回給餌区はよく類似しており, 水温下降期には2日に1回の給餌頻度で優れた飼育成績が得られることが明らかとなった。飼育成績から, 日間増重率 (DGR) と日間可消化エネルギー摂取量 (DDE) の関係について解析した。両者にはDGRをy, DDEをxとして, y=0.721 {1-e-0.137 (x-42.848) } (r2=0.913) の曲線で表される関係が認められた。曲線と接線の接点から, 当期の適正エネルギー要求量は58.9kcal/kg・BW/day付近と推察された。
適正エネルギー要求量に基づく給餌方法により, EPの飼育成績は生餌餌料と比較して, 成長では同等かやや劣るが, 優れた飼料効率が得られると考えられた。

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