水産増殖
Online ISSN : 2185-0194
Print ISSN : 0371-4217
ISSN-L : 0371-4217
真珠の品質改良に関する研究
I. 挿核時における貝とピースのクロルテトラサイクリンによる処理およびピース染色用色素について
宮内 徹夫
著者情報
ジャーナル フリー

1962 年 9 巻 4 号 p. 207-214

詳細
抄録

1) エオシンYとクロルテトラサイクリンの真珠養殖の挿核施術時における使用価値について検討し, 実用価値を認め, 真珠の品質向上と挿核施術貝の異常斃死の防止とに効果のあることを明らかにした。
2) えらの繊毛運動におよぼす影響と形成された真珠の品質から, エオシンYがマーキュロクロームに代わるべきピース染色用色素としてすぐれていることを示した (表 1, 2)。
3) クロルテトラサイクリン処理により, 真珠の品質が向上し, 真珠の歩留りが増加するとともに, 挿核施術貝の斃死率が減少することを示した (表 3)。
4) クロルテトラサイクリン処理による好結果は, 広範囲にわたる細菌の発育阻止作用によるものと考えた。

著者関連情報
© 日本水産増殖学会
前の記事 次の記事
feedback
Top