2009 年 11 巻 p. 22-39
2009年は「日本最初の文書館」といわれる山口県文書館設立から50年という記念すべき年にあたる。同館は、 その設立に際し、海外のアーカイブズにその性格と機能を学び、「文書館は民主主義の原理の上に立つものである」との理解に至った。そこからの50年目に公文書管理法がある。その第1条「目的」によって、山口の理解は日本全体の法的認識として位置づけられた。そこに至る50年を、2つの定義を持つアーカイブズの理解、 institutional archives とcollecting archives という2つの類型を軸に考える。