2012 年 17 巻 p. 76-90
福島原発事故の際に放出された放射能の計測データの記録、保存が望まれている。測定された空間放射線や土壌内の放射能の測定データは時間と共に失われたり、散逸してしまう危機にある。データの大部分はディジタルな形で記録されているが、これを“Archives of Born Digital Materials”として保存するには付随するメタデータも記録にとどめることが重要である。またデータの選択、整理とともに、その格納、再生のためのハードウェア、ソフトウェアの整備が必要である。計画の実行には原子核、放射線の研究者とアーキビストの共同作業が不可欠であり、国際機関との連携も考慮せねばならない。