アーカイブズ学研究
Online ISSN : 2434-6144
Print ISSN : 1349-578X
17 巻
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
特集 2012年度大会企画研究会「東日本大震災1年-これまでの活動と今後の課題-」
  • 研究小委員会, 渡辺 浩一
    原稿種別: シンポジウム
    2012 年 17 巻 p. 4
    発行日: 2012/11/30
    公開日: 2020/02/01
    ジャーナル フリー
  • 震災「前」・震災「後」・これから
    佐藤 大介
    原稿種別: シンポジウム
    2012 年 17 巻 p. 5-22
    発行日: 2012/11/30
    公開日: 2020/02/01
    ジャーナル フリー

    宮城資料ネットは、2003年7月の宮城県北部での連続直下型地震を契機に発足した。地域の歴史資料を災害から守るため、災害「前」の所在把握と記録化を続けていた。

    東日本大震災の発生後は、全国の関係者や被災地内外の市民ボランティアの支援を得て活動を続けている。2012年8月現在53家分を保全しているが、活動の完了には長期間かかることは確実である。

    震災で多数の歴史資料が消滅したが、震災前に撮影していたものは画像データは遺された。被災情報の収集にも、震災前からの地域との関係構築が大きな役割を果たした。「次」の巨大災害が発生する前に、地域連携・多分野連携による歴史資料の防災対策を進める必要がある。

  • 木本 洋祐
    原稿種別: シンポジウム
    2012 年 17 巻 p. 23-50
    発行日: 2012/11/30
    公開日: 2020/02/01
    ジャーナル フリー

    東日本大震災で被災・水損した陸前高田市の行政文書(公文書)の救済を支援するべく、神奈川県立公文書館は2011年10月から1年間、被災公文書レスキュー事業を展開した。緊急雇用基金からの予算を得てスタッフの雇用や資材の調達を行い、被災現地で初期対応が進む、永年保存文書を中心とした簿冊約1,200冊を神奈川県内の公文書館に移送して修復処置を施し、同市へ返却するものである。作業は、津波等で受けたダメージの状況確認や保存ニーズの把握から開始し、修復の目標を“行政実務の現場で「使える」文書としての機能回復”と設定した。重点的に実施すべき処置内容として①内容情報の保全、②長期保存を阻害する要因の除去・抑制、③利便性(利用・保管)の確保の3点を挙げて仕上がりのイメージを共有した。他機関等との連携を通して資料の保存修復を完成に近づける、一つの環を担う自覚を持って、限りあるリソース(人員、技術、時間等)の範囲で可能な段階的保存の実施を目指した。活動を通して出た課題についても触れる。

  • 法政大学「環境アーカイブズ」の活動を中心に
    金 慶南
    原稿種別: シンポジウム
    2012 年 17 巻 p. 51-75
    発行日: 2012/11/30
    公開日: 2020/02/01
    ジャーナル フリー

    2011年3月11日に起こった東日本大震災は、地震・津波・原発事故が同時に発生して、日本はもちろん、世界各国においても、「脱原発」か原発推進かが問われることになった。法政大学環境アーカイブズ資料公開室は、従来の環境政策・環境問題・環境運動に関する資料管理体制を活用して、「震災・原発アーカイブズ」を構築した。この記録化事業の特徴は次の通りである。

    1:ドキュメンティング戦略として、収集範囲は東日本震災特に福島原子力事故と関連した報道記録と国内の原子力発電等関連した記録を含めて、国際的な原子力政策問題・運動に関わる資料までを視野に入れている。また、「環境アーカイブズ」は原発問題を含む市民活動資料を中心に、国際的な基準で整理・管理することを試みている。

    2:インターネット時代の情報共有方法として影響力を持ちながらも、永続性の弱いウェブ上のデジタル資料をアーカイブズとして収集した。デジタル資料は、アーカイブズ学の新しいパラダイムとして、その収集・管理方案について、研究課題を提示している。

    3:「震災・原発アーカイブズ」の構築を行いつつ、原資料供給者⇔アーカイブズ⇔研究需要者といった協力体制がつくられた。

    4:従来の災害アーカイブズの構築は、災害経験を乗り越えることあるいは災害経験を活用する目的に特化していたが、今回の大震災・原発事故は、アーカイブズが地域で何ができるのか、その可能性を広く再考するきっかけとなった。

  • 政池 明
    原稿種別: シンポジウム
    2012 年 17 巻 p. 76-90
    発行日: 2012/11/30
    公開日: 2020/02/01
    ジャーナル フリー

    福島原発事故の際に放出された放射能の計測データの記録、保存が望まれている。測定された空間放射線や土壌内の放射能の測定データは時間と共に失われたり、散逸してしまう危機にある。データの大部分はディジタルな形で記録されているが、これを“Archives of Born Digital Materials”として保存するには付随するメタデータも記録にとどめることが重要である。またデータの選択、整理とともに、その格納、再生のためのハードウェア、ソフトウェアの整備が必要である。計画の実行には原子核、放射線の研究者とアーキビストの共同作業が不可欠であり、国際機関との連携も考慮せねばならない。

論文
動向
書評
紹介
feedback
Top