2015 年 23 巻 p. 41-57
高等学校学習指導要領が改訂・施行されて3年目を迎えた。改訂の要点の1つが歴史資料の活用であり、思考力・判断力・表現力等の育成をはかることが重視されている。本稿は、このような高校教育における歴史資料活用重視の傾向のなかで、特に戦争資料を活用した授業実践、及び課外学習団体「昭和史研究会」での戦争資料を活用した実践を事例として報告するとともに、その実践を踏まえて戦争資料活用の方法や教育効果、意義、留意点などを考察する。歴史資料の効果的な活用は、新学習指導要領が掲げる思考力・判断力・表現力の育成に寄与し、高校生の無限の可能性を引き出してくれるものと考える。