アーカイブズ学研究
Online ISSN : 2434-6144
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論文
東日本大震災後の文化財レスキュー活動日報の因子分析
村井 源森井 順之二神 葉子江村 知子菊池 理予皿井 舞今石 みぎわ佐野 真規吉原 大志内藤 百合子久保田 裕道山梨 絵美子田良島 哲岡田 健
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2016 年 25 巻 p. 4-23

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抄録

東日本大震災における文化財レスキュー活動で蓄積された日報の全体像を把握するため、活動内容・対象文化財・被害状況・参加者の属性の4 種類の要素をカテゴリ化して因子分析を行い21の因子を抽出した。因子分析の結果として、密なコミュニケーションが非常に重要であることが明らかとなった。またレスキュー活動は文化財の専門家等が行うもの、特定の文化財に限らず何らかの専門的な知識・技術に長けた参加者が行うもの、一般的参加者が実施可能なものの三つに大別された。また因子得点の平均値に基づいて時系列・施設別の特徴も抽出された。本分析によってレスキュー活動記録から震災対策の基礎データが得られることが明らかとなり、震災時の記録の在り方に関しても有益な示唆が得られた。

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