アーカイブズ学研究
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Print ISSN : 1349-578X
論考
蜂須賀家文書「草案」の構成と伝来
三宅 正浩
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2005 年 3 巻 p. 42-64

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抄録

現在、国文学研究資料館が所蔵している蜂須賀家文書の中に、「草案」と呼ばれる一連の史料がある。この「草案」は、蜂須賀家歴代の書状の留であり、特に近世前期のものが多く残されている。蜂須賀家においては初代~3 代までの史料が、依るべき先例として重視されて整理・保管され、天保期の整理事業の際には、保管に混乱が生じていた「草案」の整理・謄写・年代比定が行われた。そしてその際に形成された包紙・貼紙などの原状が、現在にまで引き継がれた。本稿では、蜂須賀家文書「草案」の史料的性格と共に、天保期の史料整理事業をふまえて、「草案」の年代比定作業を行った。「草案」は、近世前期の政治動向や大名の交際を知る上で有益且つ重要な史料である。

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© 2005 日本アーカイブズ学会
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