アーカイブズ学研究
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小特集 第2回アジア太平洋アーカイブズ学教育国際会議-講演録-
現実を学ぶ
イギリスでの実践の場への理論の適用
キャロライン ウィリアムズ森本 祥子
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2007 年 6 巻 p. 2-26

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抄録

本稿では、理論と実践の間の関係の性質がどのようなものかについて、現在も続いている議論について述べる。その中で、アーカイブズの領域の内外での伝統的なアプローチを振り返り、より最近の理論について検討し、結論として両者の関係が動的なものであるということを示す。複数のイギリスのアーカイブズにおける評価選別理論の適用を調査したケース・スタディを紹介し、そこから、アーカイブズの組織としてのあり方によって実務家の反応が左右されるところはあるが、彼らの一部にとってはトレーニング、経験、直観が理論と同じように有効なものであることを明らかにする。

「理論的には、理論と実践の間にはなんの違いもない。実際には、ある。」

ヨギ・ベラ、アメリカの野球選手、1925年生

「いい理論ほど実用的なものはない」

クルト・レヴィン、1890―1947

本論文は、10月20日の公開講演会におけるキャロライン・ウィリアムズの講演の元となった同氏著の論文(Caroline Williams,’Studying Reality: The Application of Theory in an Aspect of UK Practice,’Archivaria 62(Fall 2006),pp.77−101)を訳したものである。本誌に講演会の記録を掲載するにあたり、ウィリアムズ氏の希望により、原文全体を訳すこととした。

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© 2007 日本アーカイブズ学会
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