抄録
リチウム二次電池の安全性を向上させることを目的とし、全固体型リチウム二次電池の研究が活発に行われている。電解質に固体を用いる場合、電解質/電極活物質界面の形成は、特に重要な課題である。我々は、これまでに空孔が三次元的に規則配列(3DOM)した固体電解質を作製し、その空孔に電極活物質を充填することで電解質/活物質界面の抵抗を低減できることを報告した。 このような複合構造を正極および負極に適用し、その中間に薄い電解質層を配置すれば、電池を容易に全固体化できる。本研究では、3DOM多孔層 / 緻密層 / 3DOM多孔層の3層構造を有する固体電解質を作製し、各3DOM多孔層に正極および負極を導入して全固体型電池を作製する方法について検討した。