2019 年 58 巻 p. 1-15
本稿では,2017年7月から2018年6月末までの1年間に『教育心理学研究』,『発達心理学研究』,『心理学研究』,Japanese Psychological Researchに掲載された論文,ならびに『日本教育心理学会第60回総会発表論文集』に掲載された論文のうち,乳幼児期と児童期を対象とした発達研究について整理・概観を行った。これらの研究を,研究の対象とする社会的文脈に着目し,「家庭の文脈に関わる研究」,「園・学校の文脈に関わる研究」,「『非定型』的文脈に関わる研究」,「子どもの発達に焦点化した研究」に分類した上で,そのそれぞれについて,研究の整理を行った。最後に,以上の整理に基づき,今後,取り組むべき研究の課題を提示した。