本稿の目的は,教育社会心理学に関する研究の近年の動向を概観することと,教育社会心理学が社会的貢献を果たしていくための視座を示すことであった。前半では,日本教育心理学会第61回総会における教育社会心理学に関する研究,2018年7月から2019年6月までの1年間に刊行された『教育心理学研究』に掲載された教育社会心理学に関する論文を取り上げ,概観した。後半では,2016年7月から2019年6月までの3年間に『教育心理学研究』に実践研究として掲載された論文の特徴を整理した。そして,今後の課題を,多面的な分析や測定による検証,知見の積み重ね,出版バイアスへの対処の点から論じた。