1999 年 38 巻 p. 180-187
本学会の学会誌である「教育心理学研究」に「実践研究」というカテゴリーを設けるにあたり, どのような論文が適切であると思うかという調査を実施した。これまでに公刊されているさまざまな学術雑誌や紀要から選んだ17論文に対して, 本学会の編集委員20名が評価し, そのデータを分析した。評定の水準や観点の個人差は極めて大きかった。因子分析と記述回答から, 主として緻密な分析を行っている研究を評価するという観点と, 実践者が開発的に行っている研究を評価するという観点とがあることがわかった。こうした分析をもとに, 今後「実践研究」をどのように規定していくかについての私見を最後にまとめた。