1970 年 19 巻 9 号 p. 687-701,728
昭和41年1月から昭和43年12月迄に, 千葉大学小児科アレルギー外来を受疹した気管支喘息患児のうち, status asthmaticusの定義を満足した21名, 延べ35発作について, 病歴の検討及び諸検査成績から, status asthmaticusの発症に関与すると考えられる要因について報告した.罹患年数が長く, 種々の治療に抵抗性の重症喘息児がStatus Asthmaticusを引越すことがほとんどであつたが, 乳幼児の場合は初回発作がstatus asthmaticusとなつたものがあつた.重症児は臨床的間歇期にも<133>^Xe洗い出し試験で換気障害が証明されたことから, これらの患者では, 血液ガス, 肺機能を正常に保つ予備力が低下していることが一因となつているものと思われた.乳幼児の場合には感染の影響を無視しえなかつた.予防的治療として, 特異的減感作, steroid治療の重要性を強調し, status asthmaticusに対しては, 急性呼吸不全から死に至る危険を銘記し, 精力的な治療を行うべきであり, そのためにし血液ガス測定結果が重要な指標となることを述べた.