1977 年 26 巻 11 号 p. 772-781,784
非アレルギー疾患群, アレルギー性疾患群, 食〓性アレルギー群に小腸生検を試み, 小腸組織について比較検討した結果, 次の所見が得られた.1) 従来報告検討されている小腸絨毛萎縮は食〓性アレルギーの特異的所見ではなく, 非アレルギー疾患群でも食〓性アレルギー群と同じくらい多く認められた.2) 小腸粘膜固有層における好酸球については, 食〓生アレルギー群が他の2群に比べ有意の差で多く, 食〓アレルゲン投与時が除去時に比べ有意の差で好酸球増多を示した.3) 食〓性アレルギー群は他の2群に比べ, 小腸粘膜固有層の充血像, 出血像が特徴的所見として認められた.4) 卵アレルギーの1症例に著明なIgE産生細胞増多が認められたが, 他の免疫グロブリン産生細胞では差はなかった.