アレルギー
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PHA-Induced Skin Reactive Factor (SRF) の研究 : PHA 皮内反応との相関性とその意義
西戸 孝昭宮坂 信之奥田 正治
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1977 年 26 巻 2 号 p. 60-65,104

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抄録

lymphokines の1つである skin reactive factor (SRF) の生物学的活性とその意義を追究したいと考え, phytohemagglutinin (PHA) 刺激ヒトリンパ球培養上清中の皮膚反応活性をモルモットおよびヒト (自己) 皮内反応により観察し, この PHA-induced SRF 活性と PHA 皮内反応との相関性について検討を行った. 1) SRF 皮内反応は注射後8-12時間でピークに達し, 48時間後にほぼ消失した.その組織所見は plemorphic cellular response を示す血管周囲性の炎症像であった. 2) 健康人8例と臨床例44例におけるモルモット皮内反応による SRF 活性は, PHA 皮内反応陽性群(30例) で60.0%, 陰性群 (22例) で 4.6%に認められた.入院症例24例における自己皮内反応による SRF 活性は, PHA 皮内反応陽性群 (13例) で53.9%, 陰性群 (11例) で18.2%に認められた.いずれの場合にも両群間には明らかな差が認められ, SRF活性と PHA 皮内反応との相関性が推察された.これらの成績から, PHA 皮内反応の成立におけるSRF の関与が示唆され, また SRF 活性の観察は細胞性免疫能の検索法として臨床的に応用しうる可能性も推測された.

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© 1977 日本アレルギー学会
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