1978 年 27 巻 10 号 p. 792-798,819
小児気管支喘息自然寛解者(以下寛解群)におけるアドレナリン受容体機能と気管支の Ach 反応性を検討するために, 寛解群, 気管支喘息群, 正常対照群各8名に対して, エピネフリン負荷試験と Ach 吸入閾値の測定を行った。1)主として, β_1受容体機能の影響を受ける脈拍数, FFAの反応性は, 3群間で一定の傾向を認めなかった。2)β_2受容体機能を反映するとされている拡張期血圧, 血糖値, 好酸球の変動率は, 気管支喘息群より寛解群の方が大きく, 対照群に近い値を示した。3)α受容体機能をより反映すると考えられる収縮期血圧の反応性は, 寛解群では他の2群に比較して低下していた。4)寛解群, 気管支喘息の Ach 吸入閾値の平均値は, それぞれ7127μg/ml, 1708μg/mlで, 両群間に有意の差を認めた。対照群の Ach 吸入閾値は全例25000μg/ml以上であった。